ポアンカレ予想(※)を証明したペレリマンに係る本を読みました。
(※)単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である。
ペレリマンはミレニアム懸賞問題の一つである、上記のポアンカレ予想を証明し、その功績でフィールズ賞(賞金1億円相当)を授与されるも、辞退した人物です。
命題の意味を概ね理解するのにも苦労します…。
そして証明の内容だけではなく、生活や行動も共感できないな、と思いながら読み進めていましたが、目を引くフレーズが。
【とある博士】
「大きな難題に挑むのは魅力的だが、大きければ大きいほど、失敗した時のダメージは 計り知れない・・」
【ペレリマン】
「私には何も起きない場合の覚悟がある」
・・・なるほど。この一言によって、ミステリアスで偉大な数学者の実像が、少し掴めた気がします。
ポアンカレ予想や最終定理等、難問に挑み(間違えて不名誉な結果となる)、人生を狂わせた数学者と同等か、それ以上の覚悟とリスクをとっている人の言葉だと思います。
数学者特有の「純粋さ」を持った人物だと、思われました。
ポアンカレ予想の講義後、姿を消したのは、
① 充分検証した上での、「仕事」の説明が済んだから。
② レビューや世間の評判等には、好奇心を駆り立てられないから。
③ 新しい数学(若しくは物理学)の命題に取り組んでいるから。
こんなとこでしょうか。想像にすぎませんが、本人は、数学の思考に必要ないものを「削ぎ落としているだけ」で、俗世との係りを「結果的に」断っているだけのような気がします。
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